「ニート」って言うな! (光文社新書)



「ニート」って言うな! (光文社新書)
「ニート」って言うな! (光文社新書)

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ニート論にトドメの一冊。

刊行直後に買って読んだが、他の人のレビューに触発されて、今更ながらですが、レビュー。

当時は「ニート」=怠け者の若者というような印象でテレビなどでたれ流しされており、非常に違和感を感じていた。また、ニート論者たちの主張は丁寧に取材をするものの、社会施策や雇用環境の変化に踏み込まない、煮え切らない印象を強く持っていた。そんなときに、書店でこの本を見つけて読んだ。

ニート論やニート論者を厳しく批判している部分に目が行くが、その主張の展開は、統計などを論拠としており、しっかりした論文である。
また、NEETとニートの違い、言葉の作られた目的などの違いも良くわかり、非常に勉強になった。
冒頭のニート論者批判に戻るが、個人的意見としては、溜飲が下る思いであったし、ようやく、雇用情勢や社会施策を若者雇用の悪化の視点から批判的に検討できる人がでてきたとの印象を持った。
 雇用と労働者の関係はよく、イス取りゲームによく例えられる。イスに座れなかった人たちを見ればそれなりに、「能力が低い」か「意欲が弱い」といった要因が目に付く、一方、イスが減らされているという事実に目をむけると「イスが減ったから、減った分だけ座れない人が出てくるのは当然」となる。
 従来のニート論は「座れなかった人」に焦点を当て、丁寧に取材するのは結構なのだが、それ以外の要因への模索が無かった、もしくは少なかった。そのため、結局、自己責任論を補強する役割した果たさなかったといえる。
 社会問題の焦点が「格差」から「貧困」に移り、働く貧困層やネットカフェ難民が取りざたされる昨今、雇用環境や社会施策に視界を広げて若者の就業状況を考える視点は常識となりつつある・・、と思える。


もっと具体的に言えぃ!!

ウェブ上で偶然出会い、意気投合した三人の論者による共著。

本書のタイトルは『「ニート」って言うな!』。三人ともが、イギリス発祥の言葉「ニート」が玄田有史に
よって日本で紹介される際に微妙な誤解が生まれ、今もなおその誤解が説かれぬまま流用されていると
いう問題意識を共有してはいるものの、それぞれが独自の問題設定や切り口を持っているため、このタイ
トルに込められた意味も微妙に異なってくる。

本田由希氏的に言えば、
(若年層の就労問題を考えるにあたり不都合なカテゴライズだから)「ニート」って言うな!なわけであり、
内藤朝雄氏的に言えば、
(パラサイトシングル、ひきこもりに次ぐ若者叩きの単なる道具だから)「ニート」って言うな!なわけである。
この二人目までは面白く読めるのだが、三人目の後藤和智の担当した章は酷かった。いや、ちゃんと調べて
まとめてあるのだが、結局人の紡いだ言説をまとめることに終始しており、そこから何も見えてこない。

思うに本書のデキは、ちょうど冒頭から読むにつれ徐々に劣化していくように出来ている。最初の
本田氏の執筆箇所は大変面白かった。続く内藤氏担当の章もメラニークラインを援用して、高齢世代の
「若者叩き」を、若年層に対する投影同一化で説明する部分など、なるほどとうならせる部分なのだが、
それらを鑑みての施策を論ずる最終の第六節「自由な社会とはいかなるものか」は抽象的すぎて、何が何だか
という感じ。

例えばこれ「自由のなかで生のスタイルの完成度を高めていくことは、自分に馴染んでいくことでもあります。
たとえば、自分はなにが好きでなにが嫌いか、なにを愛しなにを憎むか、どんなときに幸福でどんなときに
不幸か・・・・・・、といったことがぴたっと身についていて、それに従って動いていると的確に幸福感がわいて
くる――こういう状態を、自分に馴染んでいる状態と呼ぶことが出来ます。」(213p)。それまできわめて
プラクティカルでわかりやすい説明が続いていたのにこの節ははっきりいってわけわからんかった。

ということで、本田氏の章を4、内藤氏の章を3、後藤氏の章を2と評価して、総合的に本書は星3つ。

ニートw

どうなんでしょう?
僕は勝ち組ニートなので、ニート生活万歳なんですけどねえ。
あえて就職するのもいいですが、やはり安月給とか低賃金働きたくないですしねえ。
いまやリアルマネートレードとか株で稼げますしねえ。
ニート呼ばわりされようが、どうでもいいって感じですよねえ。
なぜここまで真剣にニートを論述するのか、理解不能でした。

ということで、僕個人としては役立ち度は全然120%ありえませんでしたねえ。
ニート問題は国策の誤りにより発生

最近若者のNeet問題がよく取沙汰されている。
この問題の原因は、労働環境の変化によるところが大きい。

彼らは、はじめから働きたくなかった訳ではなく、職を求めても正社員としての採用先がなく、
やがて失望とともにNeetとなっていったのだ。
多くの企業が、雇用形態の変換を行い、正社員を減らし、パート・アルバイトを増やしたからだ。

しかし、これは、企業の雇用形態の変化の問題ではなく、その背景にある規制緩和という国の施策の問題だ。
つまり、彼らは国策の生んだ歪に陥った犠牲者なのである。

しかし、彼らに対する世間の視線は厳しい。
「勤労意識の少ない者」「怠け者」「自己責任」などの言葉とともに、彼らを指弾する。
ひとたび、Neetの環境にいる者が犯罪を起こすと、学者やジャーナリストは、あたかもNeet全体が犯罪予備軍で
あるかのような論調で解説し、マスコミはそれをセンセーショナルに取り上げる。
しかし、Neetとは、決して彼らの怠惰ゆえ自業自得で陥った境遇ではなく、景気の変動と産業構造の変化、
それに伴う規制緩和という国策により発生した問題なのだ。

Neet問題は、まずもって国の経済政策に原因がある。
個人の勤労意欲や能力の問題ではなく、ましてや家庭でのしつけや、教育の問題などでは決してない。
国は、Neet問題を経済の分野から解決しなければならない。
反若者論

反・現代若者論の代表的な一冊だろう。
若者の実態を描いた良書。
ニートなんて増えていない。
若者論の製造工程。
トンデモ若者論。

だが今若者たちにとっての本当の問題とは
何なのかということはあまり示されていない。

それでも多くの人に読んでもらいたい。



光文社
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