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日露戦争に投資した男―ユダヤ人銀行家の日記 (新潮新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 175264 位
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金融史を理解するうえで貴重な一冊
モルガンなどとともにウォール街を代表する金融資本家だったジェイコブ・シフ(クーン・ローブ商会、現リーマン・ブラザーズ)の人と成りがわかる本。前半が解説で後半が日記の訳文。ロスチャイルドやモルガンに比べると文献が少ない人なので、アメリカの金融史を理解するうえで貴重な史料。シフの玄孫とアル・ゴアの長女が結婚したといったトリビアも。
投資した判断材料の分析が欲しい
日露戦争をめぐる当時の列強各国の利権争いに関する説明は興味深かったが、ひとりのユダヤ系アメリカ人銀行家が日本の戦費の約4割の調達に貢献した理由については判然としない。何だか偶然か必然かロンドンで高橋是清と同席して以降、融資に至る過程の分析が薄い。ロシアの対ユダヤ政策に反感を抱いていたためとも触れているが、理由の6割が純投資目的であろうと推論している以上、それなら情報も限られていたであろう時代にその判断に至るまでの分析をする必要があろう。
後半は戦後訪日し歓待を受けた時の旅行記。肝心な政府首脳と経済政策について意見を交わした内容などは殆ど触れられていない。
ひとつ印象に残ったのが、日露戦争後日米関係が緊張してかえって日露が協調する場面が多い時期があった、という記載。この頃は外交上手だったんでしょうか。
日露戦争への投資と言う観点からの記述が希薄
本書の大部分は、日露戦争に投資した男=ジェイコブ・シフが、日露戦争後の1906年、日本に二ヶ月ほど滞在した時の日記で占められている。さらにその日記に記されていることのほとんどは、いかに盛大に歓迎され手厚くもてなされたかで、それ以外は、その合間に訪れた代表的な観光地の様子ぐらいである。そして、彼がなぜ日露戦争に投資したのかについて書かれているのは著者の解説部分のみで、全体を通してみれば、日露戦争への投資と言う観点からの記述が希薄である。当時の日本の様子を知る上では参考になる著作なので、タイトルは『日露戦争に投資した男の日本滞在記』とすべきだろう。
日露戦争を支えた男
本書は在野の研究者による、日露戦争の裏面史である。
前半部分は戦費ファイナンスの面から見た日露戦争史を、
後半部分はその立役者、ジェイコブ・シフの日記の訳出している。
分量的に7割弱を占める後半部が本書の目玉のはずだが
「なぜ日本を支援したのか」という読者が一番知りたいその理由が
通読してもほとんど明らかにならないのは残念。
それに引き換え、前半部分は日露戦争史が経済的側面から
コンパクトに、かつ判りやすくまとまっており、読む価値が高い。
ファイナンスから見た日露戦争
日露戦争をファイナンスの面から見た初めての本である。太平洋戦争は、最後は物量(鉄、石油等)の劣位が主な原因の一つで敗北したが、日露戦争は、幸い、ユダヤ人銀行家シフの奔走による外貨ファイナンスにより、物量不足には陥らず、うまく勝利をつかむことができた。
彼の奔走の背景には、ロシアにおけるユダヤ人迫害への怒りがあるが、そのほかにも日本という国・日本人に将来性を見つけた、まさに「冷徹な投資家の眼」もあったとの論旨が展開されている。今の日本の投資家に同じような投資ができるか?
さらに戦後の満州の鉄道利権を巡っての、米国投資銀行間の争いも興味深く描かれており、教科書とは違う歴史の一断面を見ることができる。
後半のシフの日本旅行記は、当時の日本がいかに彼を歓待したかが分かる点では興味深いが、やや退屈である。
新潮社
ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表 満鉄調査部―「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊 (平凡社新書) 満州と自民党 (新潮新書) 日露戦争 ―勝利のあとの誤算 文春新書 世界史のなかの満洲帝国 (PHP新書)
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